01毎回、あのメールを探していた
前職では業務範囲が多岐にわたっていて、覚えることが多くありました。それ自体は構いません。困ったのは、いざ何かの手順を確認しようとしたときに、どこを見ればいいのか分からなかったことです。
そもそもドキュメントになっていない。だから毎回、過去のメールやチャットをさかのぼることになります。
ある業務のたびに必ず参照する社内ルールがありました。それは一度メールで発信されただけで、どこにも清書されていない。私は毎回、そのメールを探していました。時間が経つほどメールは埋もれ、検索しても出てこない。見つからないことに苛立ちながら、それでもそのルールを書き留めることはしませんでした。「またその時にメールを探したらいいや。」そして次に同じ業務が来たときに探すのですが、なかなか見つからない。
情報元がメールだったのか、フォルダだったのかすら思い出せない。そういうことが頻繁に起きていました。
02いつかやろう
私は、部屋が散らかっていたり、フォルダが整理されていない状態がとても苦手です。同じ理由で、ルールや業務フローが社内に確かにあるのに整理されていないことに、ずっとモヤモヤしていました。
とはいえ、みんな忙しい。整理する時間などないし、仮に時間があったとしても、業務の優先順位としては決して高くない。それも分かっていました。
「いつかやろう」そう思いながら、気づいたら11年が過ぎていました。
動いたのは、管理職になっていよいよ業務が回らなくなってからです。何度も同じことに時間を使いたくない。それだけの理由で、今後やるルーティン業務をすべて文字に起こそうと決めました。
033ヶ月かけて、業務を棚卸しした
システムの使い方、備品の購入、見積もりの発注依頼、社内の連絡、営業ルール。営業職としての自分の業務を、約三ヶ月かけてNotionにすべて書き出しました。気づいたら、営業社員用の社内ポータルサイトが出来上がっていました。
当然、大変な作業でしたが、整備してからは、確認したいことがあればそこにアクセスするだけで必要な情報が手に入るようになりました。情報を探すという、あの時間的ストレスから解放されました。
04ナレッジポータルを研修教材として活用
社内ポータルが形になったタイミングで、新しいスタッフを迎えることになりました。
自分が入社した頃を思い出すと、研修らしい研修は三日ほどで、あとは引き継ぎのOJTが中心でした。業務の全体像が見えず、あとどれくらい覚えなければいけないのかが分からない不安がありました。
逆に言えば、覚えるべきことが10のカテゴリと50のトピックにあらかじめ整理されていれば、その不安はかなり減るはずです。
幸い、彼は入社後この社内ポータルを毎日参照してくれました。個別案件を除けば、ここを見ればだいたい分かる、という状態まで来ました。感覚値ではありますが、過去の新人教育と比べて、教育にかかった時間は半分になりました。
05見込み客ゼロで、会社をつくった
同じ負担を抱えている管理職やリーダーは、きっとたくさんいる。そう思って、業務プロセスを改善する仕事を作ろうと、起業を決めました。
見込み客もいないままの、見切り発車でした。
それでも、情報が増える一方の世の中で、それを整理してナレッジとして使える状態にすることには、間違いなく価値があると思いました。そうして2026年4月、S.sentia株式会社が生まれました。